上のエントリを読み返していて、ふと「ニセの手がかり」なるものを真面目に扱える論理体系って何だろう、と気になって、考えてみた。
ヒントは、ヒビルテにあった知識論理。以下引用すると、こんなの。
- K(φ,ψ) := □(φ→ψ) → □φ → □ψ
- φ→ψ であることを知っていて、更に φ であることを知っているなら、ψ であることも知っている。
- T(φ) := □φ → φ
- φであることを知っているのなら、φである。
- 5(φ) := ◇φ → □◇φ
- 「φでないことを知らない」のなら、そのことを知っている。
さらに、ここから以下のようなことも言える。
- D(φ) := □φ→◇φ
- φであることを知っているなら、φでないことは知らない。
- B(φ) := φ→□◇φ
- φならば、「φでないことを知らない」ということを知っている。
- 4(φ) := □φ→□□φ
- φであることを知っているなら、そのことを知っている。
しかし、公理Tがあると、知っている事実は全て真実になってしまうので、ニセの手がかりを扱えない。なので外す。
かといって、ただこれを外すだけだと、あまりに何もいえない体系になりそうなので、次のような公理T'を代わりに入れる。
- T'(φ) := □□φ → □φ
- 「φであることを知っている」と知っているのなら、φであることを知っている。
あと、定理4は他の公理から言えるのかどうか謎だけど、とりあえず公理に格上げ。
ここまでで何が言えるのか。
とりあえず、定理D、Bの代わりに、次のような定理が言えた。
- D'(φ):= □◇φ→◇◇φ
- 「φでないことを知らない」ことを知っているのなら、そうでない事を知らない
- B'(φ) := ◇φ→□◇◇φ
- φでないことを知らないなら、「そうでない事を知らない」ことを知っている
訳わからんwww
何かの役に立つのかこれはwww
[追記] さかいさんからプライベートで教えてもらいましたが、K,D,4,5が成り立つ様相は信念様相と呼ばれ、□φ を「φであることを信じている」と解釈できる、そうです。あー、確かにT'なんか考えるより、D入れたほうがシンプルだね。[/追記]
[追記2] 一応、これは言えるわ。
- D''(φ):= □◇φ→◇φ
- 「φでないことを知らない」ことを知っているのなら、φでないことを知らない
[/追記2]