bonotakeの日記

ソフトウェア工学系研究者 → AIエンジニア → スクラムマスター・アジャイルコーチ

アジャイルスケーリングのための CASP 1 っていう資格を取ったよ

この度、CASP 1っていうScrum Allianceの資格を取りました。

CASP 1のバッジ

たぶん存在自体知らない人が多いと思うので、このブログ記事で軽く紹介をしてみようと思います。

この資格は正式名称を Certified Agile Scaling Practitioner 1 と言って、アジャイルのスケーリングに関する資格です。
スケーリングの資格としてのCASP 1の大きな特徴は特定のフレームワークに依らないというところです。LeSSに関するCLPとかScrum@Scaleに関する RS@SPとかありますが、これはどのフレームワークか、とか関係なく、あるいはフレームワーク以外の手段も全部ひっくるめて、何を使ってどんな風に考えてチームより大きい組織にアジャイルを導入したらいいか? といったことを扱います。

去年の12月くらいに創設されたばかりの資格で、自分はそれをたまたま見つけて、割と興味本位で研修を受けてみた次第。
ただ、本当は5月に、イタリアのコーチングの会社がオンラインでやる研修に申し込んでたんですけど、人が集まらずキャンセルになり、改めて今回オーストラリアのGlow Your Agilityがやってる研修に申し込んだのでした。トレーナーのSam Bowtellさん曰く、現時点でこの研修をやってるトレーナーは世界で20人くらいでは、とのこと。

周囲でこの資格を取ったって話を全然聞かないので、ワンチャン日本人で最初? とか思ってましたが、そのSamのクラスに集まった8人の生徒の中に偶然もう1人日本人が。偶然にも、過去にRSGTでお会いしたことのある方でした(許可は取ってないのでお名前は伏せますが)

ちなみに研修の最初のほうであった話として、スケーリングには horizontal scaling(水平スケーリング) と vertical scaling (垂直スケーリング)の2種類があって、CASP 1 は水平スケーリングしか基本的に扱わない、とのことでした。ちなみに水平は同一組織内の複数チームが連携するためのスケーリングで、垂直は開発組織とビジネス部門とHRと、といった異なる部署をまたいだスケーリングのこと。
たとえばScrum@ScaleやSAFeは両方を扱えますが、LeSSは水平のみのフレームワークです。

垂直スケーリングは、きっと今後登場すると想像される CASP 2 とか 3 とかでやることになるのかもしれません。

研修の内容としては、各種フレームワークの比較をやったり、あとスクラムパターンとか、Quarterly Planning(SAFeでのPIプランニング)とかロードマップとかOKRとか、もやりました。チームトポロジーも入ってました。やることめちゃめちゃ多い!
Samの趣向でワークショップがすごろく形式になっており(⁉)止まったマスにあるやつを学んでいくという形式で、そもそも全部は研修中にカバーできない前提で「残りは、気になったら自分で勉強してね」とのことだったんですが、当日扱った分だけでも膨大な内容だった気がする……
自分としては、日数増やしていいから、もっと1つ1つを丁寧にやりたかったかもしれません。Samも「自分がこのコースを開催するのはこれが初めて」ということで、今後ブラッシュアップされていくのかも。

あと、そういう具体的なテクニックや手法だけではなく、いわゆるチェンジマネジメントの話もやりました。やはり2桁を超える人数の組織を変えようと思ったら、どうしたって多少なりとも何かしら抵抗を覚える人は出てきたりするし、心理的抵抗だけでなく、下手をするとやったことないことをやる羽目になってパフォーマンスがガタ落ちする人なんかも出てきます。だから一度に意思統一なんて無理だし、いきなりビッグバン的に組織改編すると必ず軋みが来るので、それをどういう考えのもとに乗り越えていくか、など。これは実際の例をケーススタディにして、ひたすらディスカッションしました。(外国人にはきつかった…)

内容的には日本でも需要ありそうだと思うんですが、どうなんでしょうね?

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