bonotakeの日記

ソフトウェア工学系研究者 → AIエンジニア → スクラムマスター・アジャイルコーチ

『質的研究を科学する 』を読んだという話

夜中の変な時間に目が覚めてしまったので、以前読んだ本の感想をおもむろに書き出そうとしてみる。2ヶ月くらい前に読んだやつだけど。

自分は今初めて質的研究というのをやろうとしていて、何かと言うとインタビューや自身の観察から得たログみたいなものを分析して何かしらの科学的な知見を得ようとする手法のこと。社会科学の世界でよく使われる。
ただ、自分は今まで自然科学な世界で研究することがほとんどで、こうした定性的データを自分の主観に基づいて分析したところで何かしら一般性のある客観的な知見が得られるのか、それは本当に科学なのか……という思いが最初は強かった。

そんな折にこの本に出会って、かなり腹落ちした。
この世に唯一絶対の真実があるかどうかはわからないが、自身の心のうちに起きる「現象」を十分説明できる「記述」を見つけることが科学である、という(構造構成主義的?)立場は自分の、特に数学で養われた感覚とすごくマッチしていた。
おかげでこの本を読了した後はそういった客観性の意識に悩まされることがなくなった。

こういった科学哲学的な本を好む人が自分の近傍にどれだけいるかわからないけど、自分の中ではとてもためになった、ということで紹介しておく。

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