bonotakeの日記

ソフトウェア工学系研究者 → AIエンジニア → スクラムマスター・アジャイルコーチ

アジャイルコーチ 兼 ソフトウェア工学研究者 になりました

最近、自分の身分について色んな所で五月雨式に明かしたり明かさなかったりしていたんですが、それで誤解を受けることも多く。
しかも転職ブログ的な記事を半年前に書いたばかりでその舌の根も乾かぬうちに……て感じだし、しかもこの記事未だにPVが多くて、それを読んでもらっているとなんか申し訳ない気持ちにずっとなっていたので。
なので一念発起して、現在の状況をきちんと明らかにすることにします。

今のメインの仕事はフリーランスで、アジャイルコーチをしています。
更に、スクラムを学術的に研究するため、今月から国立情報学研究所の特任研究員にもなりました。

なんでスクラムの研究を始めることにしたか、を今の段階で大っぴらにするのはちょっと恥ずかしかったんですけど、せっかくの機会なので書いておきます。

僕がスクラムアジャイルに本格的に触れるようになったのは2021年からで、今年に入ってから副業でアジャイルコーチをやっていたんですけど、その活動を通じて、本当にたくさんの新しい知見を得ました。
で、僕は元々長い間ソフトウェア工学の研究をやっていたので、そうやって得た知見をソフトウェア工学に還元したい、ってずっと思ってたんです。

でも一方で、できっこないと思っていたんです。スクラムは経験主義で「実践してなんぼ」の知識体系で、言語化が難しい知識も多く、学問の対象にするには向かない……と。

でもそんな折、今年論文誌に発表された、とあるスクラムの論文を読んだらめちゃめちゃ感銘を受けてしまって。
それで思わず著者にメールしたんですよ。こんな感じの↓

自分は今はアジャイルコーチだけど元ソフトウェア工学研究者で、でもスクラムの研究なんてまともにできっこないと思ってた。でもあなた達の研究はあまりに素晴らしくて、僕の思い込みをぶち壊してくれた。何なら自分もやってみたくなった。

……と書いて、その後に僕自身のアイデアをつらつらと書いて送ったら、欧州にいる2人の著者からノリノリの返信が返ってきて、以降メールで何か盛り上がっちゃって、いつの間にか、2人と共同で研究を進めようってことになってしまいました。

そのとき本当に色々悩んだのですが、ここまで来てこれに乗っからない訳にはいかない、乗っからないと一生後悔する、と思って、生活をほぼ研究中心に変えてしまいました。
研究のやりやすさを最大限に追求した結果、会社勤めを諦め、フリーランスアジャイルコーチをしつつ、コーチングするチームにお願いしてデータを取らせてもらうことにしました。
一方で、未だに読むのにお金がかかる分野の論文とか、個人で所有するには高すぎる研究用のツールなどにアクセスできるようにするため、知己の石川冬樹先生にお願いして、研究室に間借りさせてもらうことにしました。(実は4年前にも別の研究のために所属していたので、出戻りです)

……というわけでした。まだ研究は始めたばっかりで、果たして上手くいくのか、海の物とも山の物ともつかない状態なのですが、生暖かく見守っていただけると嬉しいです。

ちなみにその、僕が研究を始める切っ掛けとなった論文の解説と、もし進捗がよかったら今進めている研究の話を、来年1月のRSGT2024で喋れたら、と思ってプロポーザルを出しました。採択されたら喋ります。(よかったらLikeしてね)

confengine.com

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