僕は普段、ディープニューラルネットワークをハードウェア(主にFPGA)上にコンパイルするお仕事をしてるわけですが。
昨日、同僚の女性(非エンジニア)のHさんから、
bonotakeさんがしてる仕事を理解したいので、入口的な、比較的簡単そうな、オススメの書籍を紹介してほしい
と頼まれまして……
いやー、DNNをFPGAに変換する業務を1冊で紹介できる本なんて、たぶん世界中のどこ探してもないでしょ……
てな感じで、どこが知りたいのかもう少し聞いてみると、要はハードウェアの知識がないので、そのへんの仕組みを知りたいと。
ということで、とりあえず紹介してみたのが以下4つ。
コンピュータの基本構成と動作原理〜知識編
本じゃなくてQiitaの記事ですけど、とりあえずHさんの反応を見るために紹介してみました。で、このレベルならまぁとっつきやすいと。
とはいえこの記事だけだと短すぎて、きちんと理解を深めるのは難しいですよね。たぶん。
ディジタル作法 −カーニハン先生の「情報教室」−
- 作者: Brian W. Kernighan,久野靖
- 出版社/メーカー: オーム社
- 発売日: 2013/02/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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SNS経由で社外の知人に意見を求めたところ、オススメされたのがこれ。そしてこの本を担当した編集者も知ってる方(笑)
あのK&Rのカーニハン先生がこういう本書いてたんですね。オススメした知人曰く
リテラシ高い人でコンピュータだけは今まで知る機会がなかった、というケースにぴったり
だそう。裏を返せば、リテラシーがある程度要求されるということでしょうか。
ハードウェア・ソフトウェア・コミュニケーション の3章立てになってるとのことで、ハードウェアだけというよりは本当にコンピュータ全体を俯瞰する本て感じなんでしょうね。
CPUの創りかた
上記の本より、もう少しハードウェアに特化した本ということで、こちら。
- 作者: 渡波郁
- 出版社/メーカー: 毎日コミュニケーションズ
- 発売日: 2003/10/01
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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これ、出たときは相当話題になりましたよね。中身と、あと表紙(笑)
今でこそこういう萌え絵が表紙の技術書ってよくありますけど、たぶんこの本が最初なんじゃないかなぁ。
当時も絶賛されてましたが、とっくに絶版になったと思ってたら未だに売れてるんですね。アマゾンでベストセラーだし、レビューでも絶賛されてるので驚きました。
むしろ、表紙が萌え絵の本が普通になった今だからこそ、中身がきちんと評価されてる、のかもしれません。
コンピュータシステムの理論と実装―モダンなコンピュータの作り方
コンピュータシステムの理論と実装 ―モダンなコンピュータの作り方
- 作者: Noam Nisan,Shimon Schocken,斎藤康毅
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2015/03/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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おそらく、『CPUの創りかた』の類書。オススメした理由は、僕がAmazonにオススメされたからw
とはいえ名前だけは前から知ってて、気にはなってたんですよね。こちらもベストセラーだし。
『CPUの〜』に較べると新しく、2015年発行の本です。で、邦訳はオライリーですが、原著はMIT Press。
The Elements of Computing Systems: Building a Modern Computer from First Principles (MIT Press)
- 作者: Noam Nisan,Shimon Schocken
- 出版社/メーカー: The MIT Press
- 発売日: 2008/01/25
- メディア: ペーパーバック
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なので、基礎から入っている入門本とはいえ、結構本格派の本といえるかも。NANDゲートの仕組みから入ってOSまで説明するという、結構基礎からがっつり勉強する感じではあります。
てな感じで
オススメしてみたのはいいものの、CS系学科出身のエンジニアが、非エンジニアの方に本を勧めるのはやっぱり難しいです。さじ加減がわからないですからねぇ。あんまり「非専門家にもわかりやすく」書きすぎた本だと、ちゃんとした理解にならないことが多いし。かといって数式バリバリ並べるような本も厳しいだろうし。
そんなあたりで、若干苦し紛れに勧めてみた感じではありますが、どうでしょう。Hさんの読んだあとの感想が気になります。