bonotakeの日記

ソフトウェア工学系研究者 → AIエンジニア → スクラムマスター・アジャイルコーチ

位相と論理 (日評数学選書) 第1章「順序と束」

新年明けて、やっと着手できた。1章の自分的メインは、ブール代数でのイデアル・フィルター。あとHeyting代数。

やってて思ったが、このテキストは解説がものすごくあっさりしている。チラ見してる分にはコンパクトにまとめてあって良かったけど、ちゃんと真面目に追っかけてみると結構戸惑いが沸いてくる。
まぁ、単に説明があっさりしてるだけなら、肉付けは自分でやればいい、と思えるのだけど…ちょっと誤解しやすいというか。特に、証明中の量化子(∃なのか∀なのか)の区別が曖昧に書かれてて、文意がつかみにくい。
あと、術語が一部、日本語になってないところがある。properイデアル(真のイデアル)とか、prime element(素元)とか。


それから、個人的に詰まったところ。イデアルとフィルターの解説が「ブール環」の解説の後に続くのだけど、これが「ブール代数」(束)でのイデアルの解説。両者は似ているようで、前者は加法(+)が対称差*1で定義されている。でもここで解説されているイデアルは、\veeを加法に見立てている。この差に最初気づかず、混乱。テキストには

ブール代数可換環であるので、もとよりイデアル、素イデアルの概念があるが、それらは束へ自然に拡張される。

と前置きがしてあったんだけど、何をもって拡張と言ってるのかがよくわからなかった。

※結局、「ブール環」のイデアルと「ブール代数」のイデアルとは、どの程度違うもんなんだろう?あるいは同じになる??明日ヒマだったら考えてみよう。


といっても、この辺は一遍さらっとは読んでいるし、予備知識もあるので一通りは理解できた。「ブール代数」のイデアル・フィルターはわかりやすい。Heyting代数はもう少し頭のイメージを固めたいか。5章「フレーム」、6章「カテゴリー」で詳細に解説されるらしいので、楽しみにしておく。

*1:a+b = (a \wedge \neg b) \vee (\neg a \wedge b)

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