bonotakeの日記

ソフトウェア工学系研究者 → AIエンジニア → スクラムマスター・アジャイルコーチ

"CFG⊆PEG?" Proofathon(略して CPon)作業メモ

文脈自由文法(CFG)から生成される言語と、解釈表現文法(PEG)にて解釈される言語の関係についてのopen problem をみんなで証明してみるオンラインでのバーチャルな会合。参考↓

ノリで参加してみたけど、楽しかったのです。

概要

当初は、PEGのチェッカとかジェネレータとかこさえたりへんちくりんな反例考えてみたり、とかいうまっとうな(?)方向での参加を考えていたのですが、途中でLingrの部屋のログを読み返してて

kinaba
連接 e1 e2 はだいたい e1>>=e2 で、選択 e1|e2 や e1/e2 はだいたい e1 `mplus` e2 で、
リストモナドにすればCFGでMaybeモナドにすればPEGになると思うんですけど
そういう方向でHaskellerやカテゴラーが頑張ってどうにか何か示す未来を期待

とかいう発言から、あーそういやCFGって圏論的にどうなの?とか超脱線気味に思い始め…
歴史の浅いPEGとは違って、どうせ過去に誰か仕事してんだろ、と思っていろいろぐぐってたら、Lambek計算とCFGがequivalentらしい*1事を発見。ぶっちゃけ最終的に、これが自分の一番の成果だったという話も。

なので、そこから急速に方針転換。他の人たちと全く趣を異に、Lambek計算の圏とPEGの圏を比較して何とかしようというアプローチを取ってみた。

でも結論としては、問題の定式化(っぽいもの)をしただけで終わってしまいました。
以下はその痕跡。勢いでやったので、細かいところとか多分いろいろありそうな気はしますが、ひとまず今日の作業メモということで。

圏の定義

基本的に、* が連接、+ が選択 に対応。この2つの間には分配則 X*(Y+Z) → X*Y+X*Z が成り立つ。
各規則は冪によって表現される。終端での受理を便宜的に$で表す。(例えば、A→b は追加で b → $ があるという想定)

LC:Lambek計算で受理できる型の圏
  • 対象
    • 任意の終端記号∈ΣTと任意の非終端記号∈ΣN
    • 任意の対象X, Yに対して:
      •  X*Y: ふつーの直積からsymmetryをとったもの
      •  X+Y: ふつーの直和
      •  X \backslash Y: 左冪
      •  Y/X: 右冪
    •  i: * の単位(左=右)
    •  \$: X + \$ \simeq \$ + X \simeq \$
  • 射 恒等射以外
    • 自然変換  L: X*(X \backslash Y) \to Y が適用できるところ
    • 自然変換  R: (Y/X)*X \to Y が適用できるところ
    • 同型射 X + \$ \to \$ \$ + X \to \$
PEG:PEGとPELの圏
  • 対象
    • 任意の終端記号∈ΣTと任意の非終端記号∈ΣN
    • 任意の対象X, Yに対して:
      •  X*Y: ふつーの直積からsymmetryをとったもの
      •  X+'Y: ふつーの直和からsymmetryをとったもの
      •  X \backslash Y: 左冪
    •  i: * の単位(左=右)
    •  \$: X + \$ \simeq \$ + X \simeq \$
  • 射 恒等射以外
    • 自然変換  L': X*(X \backslash Y) \to \mu Y が適用できるところ
      • μYはYを展開して得られるものの最大不動点。ここでμはモナド(ということにしたい)
    • 同型射 X + \$ \to \$ \$ + X \to \$
    • 同型射 \mu \$ \to \$

ちなみに

  • AND述語: ||&e_1 e_2|| = e_1 \backslash e_1 e_2
  • NOT述語: ||!e_1 e_2|| = (e_1' +' e_2' +' ... ) \backslash e_2 where e'i ≠ e1 なのTBD. 定義めんどくせー)

解きたい問題

 LC(-, \$) \subseteq PEG(-, \$)かどうか。
where

    •  LC(-, \$) LC内の任意の対象から$への射の全集合
    •  PEG(-, \$) PEG内の任意の対象から$への射の全集合

解答

To be developed ハゲワラ

*1:Mati Pentus, Lambek Grammars Are Context Free (1993), In Proceedings of the Eighth Annual IEEE Symposium on Logic in Computer Science. PDF

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