bonotakeの日記

ソフトウェア工学系研究者 → AIエンジニア → スクラムマスター・アジャイルコーチ

イーロン・マスクがテスラ社員に指示した社内コミュニケーションの方法が素晴らしすぎる件

gigazine.net

眠れず何となくネットサーフィンしてて、この記事を発見。
凄く良い。痺れた。早速会社のSlackにも貼り付けた。
僕はイーロン・マスク信者ではないけど、これを社員に指示したってのは流石だと思う。
以下、メールの抄訳を一部転載。

会社の中において情報がどのように流れるべきであるかについては、2つの流派がある。これまでの最も一般的だったものは、常に直属の上司を介してコミュニケーションが行われる指揮系統の方法だ。この方法の問題は、上司の権限が強くなる一方で、個人が会社に対して貢献できなくなるというところにある。

(略)

テスラで働く全ての従業員は誰でも、最速で問題を解決して会社に貢献できると考えた相手に対し、直接メールや口頭でコンタクトを取ることができるし、そうすべきだ。直属の上司の許可なしに、その上の上司に話を持って行っても良い。他部署の統括マネージャーにコンタクトを取っても良いし、私(マスク氏)に接触しても良い。誰にコンタクトを取る場合であっても、誰からの許可も必要としない。さらに、物事が正しい方向に進むまで、自分にはその義務があると考えて良い。重要なのは、これは単なる世間話をするためではなく、テスラが超迅速に物事をうまく進められるためであることを認識してもらいたい。テスラが、既存の自動車関連の大企業に正面からぶつかることは明らかに不可能である。そのため、テスラはインテリジェンスとアジリティ(敏捷さ)で勝負する必要がある。

一応、今の会社で僕は話したいと思った人に直接コンタクト取ってたけど、それは規模の小さい零細ベンチャーだったからこそ可能だったのであって、会社が急速に大きくなっていく中でそれができなくなるのでは、と危惧してた。 階層を重視しすぎた組織の意思決定の遅さは前職で痛感していたし、今の会社が今そんなことやってたら確実に潰れるので。

今の、階層があっても事実上フラットなコミュニケーションを維持・徹底することが、スピード感を上げていくためにも必要なんだと教えてもらった気分になった。

ということで、今後も直属の上司を気にせず、ガンガンコミュニケーション取っていきます。上司のSさんスミマセンw

【追記】ただし、これは全ての社員が自立して、責任持って行動するのが大前提です。
常に上司の判断を仰ぐのは、上司に責任を負わせて自分は責任を回避する、ということでもあるので。そのマインドでイーロン・マスクのこのやり方はできないです。 【追記おわり】

【追記2】コレ読んだ Ariga(@chezou)さんから、関連して以下の本を勧められました。

異文化理解力――相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養

異文化理解力――相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養

早速ポチって合間に読んでます。
【追記2おわり】

「機械学習・ディープラーニングでPythonを使う嬉しさとツラミを分かちあう会」の感想を語る

もう2週間経つんですけど、こんなイベントを企画・司会をしました。というので今更感想ブログ。 mlxse.connpass.com

経緯というか元々の開催目的は以前の記事にあるとおりで、 プログラミング言語に関する国内学会 PPL2018 前に、現状この分野で覇権取ってるPythonを肴に「機械学習ディープラーニングのための言語」の問題点や在るべき姿、を探っていこうという会です。

3人の発表+みんなで議論、というスタイルを取ったのですが、発表お願いした3人が3人とも「やりづらい」とこぼす、企画した者としては大変心苦しい状態ではあったものの、発表・議論はどれも興味深く、大変面白い会になりました。ありがとうございました。

発表1つめ:『行列演算とPythonの言語デザイン』

まずは python.jp 管理人の石本敦夫(@atsuoishimoto)さん。 Pythonがどうしてデータサイエンス・機械学習分野でこんなに使われるようになったのか、その歴史を語ってもらいました。

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※ 画像は以降も含めて全て 機械学習工学研究会 からお借りしています。

僕自身、正直言うと「Pythonじゃなくてnumpyが重宝されてるだけじゃないの」(失言)と思っていたフシがあるんですが、実は歴史的にはPython公式がnumpyを積極的にサポートし、ほぼnumpyでしか使えない構文を提供するなど、numpyという1モジュールをPython公式が丁寧に育ててきたから今があるんだ、とのこと。なるほどそうだったのか。

発表2つめ:『関数型プログラマから見たPython機械学習

2番めの発表はPreferred Networksの酒井政裕(@masahiro_sakai)さん。普段使いの言語はHaskellRubyで、Pythonについては「PyPIにパッケージを登録したこともないザコ」(本人談)とのことでしたが、それでも普段のディープラーニング関連業務でPythonを使っている経験から色々語って頂きました。

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Pythonを使ってみた感想、といえばそれまでなのですが、単なる1ユーザーとしてのそれに留まらず、元・言語系研究者としてのバックグラウンドから、確固とした抱負な背景知識を元に色々な知見や提言を語ってくれました。
shapeに型検査欲しいよね、nchwとか只の慣習でしかない意味付けを元に多次元配列にマジックナンバーでアクセスするの、メモリにオフセットでアクセスしてるのと変わらないよね、てあたりは頷くしかなかったです。

発表3つめ:『Ruby のデータサイエンス分野における取り組み』

最後はmrkn(@mrkn)さん。Rubyコミッタ。Pythonの会ですが、Rubyとデータサイエンスとの関わりについて語ってもらいました。(「この流れでRubyの話する俺が一番やりづらい」と発表前にぼそっとつぶやかれたのが印象的でした。ホントすいません……)

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2016年あたりから、Rubyでもデータサイエンスが扱えるよう、PythonのデータツールをRubyから呼べるブリッジ pycall.rb を開発。また Red Data Tools Project が立ち上がり、Rubyの枠を超えてOSS全体が良くなることを目指しつつ開発が進んでいるとのこと。
印象的だったのは、最後の方で語られた、今後の展開について。Pythonは今後もメジャーであり続けるだろうし、今Juliaが急速に伸びてきていて、将来はおそらく科学技術計算分野で覇権を取っているだろうことを踏まえつつ、RubyPython・Julia が相互運用される世界を目指している、とのこと。またそれらを包括するような、1段抽象度の高い独自言語ができても良いのでは、というお話でした。

最後にみんなで議論

最後、ピザとビール飲み食いしつつ、皆が車座になって色んな話を語り合いました。

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正直、ビールをたんまり注入してしまったのと、だいぶ時間が経ってしまったので何を議論したかハッキリとは思い出せないのですがw、単なる言語の話にとどまらず、エディタ、開発環境、インフラの話まで様々な話が飛び交いました。

余談:PPL2018にて

さて本来の目的であったところの、PPL2018へのフィードバックはできたのか。

勉強会にも参加され、当日招待講演された、丸山宏さん(Preferred Networks)の講演資料。

www.slideshare.net

41枚目以降、酒井さんの発表がそのまま引用されていますねw
またその後の、「パフォーマンスをクロスカッティングコンサーン」とする話も、皆で議論したときに出てきた話題の1つです。

ということで、プログラミング言語研究者コミュニティにも僕らの議論が還元できて、良かった良かった、でした。

最後に:3人の発表資料

3つの発表の資料はこちら。

www.slideshare.net

www.slideshare.net

speakerdeck.com

誕生日の抱負でも書く

ちょっと前回の記事が大変な反響を呼びましたので、その後に普通の記事を書きづらいんですけど。
でも大分落ち着いてきたこともあって書きますが、先日誕生日でした。

毎年いつも、誕生日の後にはFacebookで抱負のような何かを語ってたんですが、今年はブログ再開したこともあって、こちらに書いてみようかと思いまする。
Facebookでお祝いメッセージ下さった皆様、ありがとうございました。
おかげさまで今年は、今までになく充実した気分で誕生日を迎えられました。やることいっぱいあるけど、どれもやりがいあって、楽しいです。ありがたやです。

本業がんばる

昨年転職して、そろそろ会社できっちり成果を出さないといけないところ。 こいつ↓の開発が佳境を迎えてまして、今それですごく忙しいです。

きっちり良いものにしたいんで、頑張ります。

機械学習工学研究会がんばる

転職前から始まったこの活動ですが、最初は任意団体で、単なる有志の会として動いていたものが、研究会を発足しようということになり、「日本ソフトウェア科学会 機械学習工学研究会」(MLSE)を2018年度より発足、することになりそうです。
最初は「機械学習のためのソフトウェア工学」というところからスタートしたのですが、研究会としてはソフトウェア工学だけでなく、機械学習システムを開発・運用するためのツールやインフラなんかも対象にしよう、ということになりました。
公式サイトにも書いてますが、以下が対象となります。

で、なぜか発足後、5月から9月まで毎月イベントをやることが決定してまして、ちょっと過密日程な気がするんですが、まぁ会の運営メンバーの皆さんと共同して、がんばります。
上記のいずれかにご興味ある方、ぜひ5月以降の研究会のイベントにご参加くださいませ。告知は近々出せると思います。

本を作る

以前もちょこっとここで書いたんですけど、ディープラーニングで製品を作るための本を作るべく、水面下で活動してます。
一応企画段階は終わって、ぼちぼち動き始めたというところ。予定だと、6月か7月には、皆様のお手元に届けられるんではないかと思っています。
まだ詳細は明かせませんけど、うまくいけば良い本になる確信はあるので、がんばって進めたいです。

博士……論文……うっ

正直、文字にするのも精神的ダメージを負う状況なんですけども。
いやぁ、去年は朝起きてから出社するまでの1〜2時間と、あとたまに会社休んで丸1日を研究に充てられたんですが。
年を越してから、上記のようにやることテンコ盛りになってしまったもので、全くこちらに時間割けなくなっております。
少なくとも今月はやってる暇ない……何とか4月から再開できたら良いな……うん……

最後に(クレクレ君

クレクレ君で恐縮ですが、Amazonのウィッシュリスト晒しておきます。気前のいい方、ポチってください。
FBにもちょろっと書いたら少しの方が反応くださいまして、既に届いております!ありがとうございます。これから中身見ます。

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裁量労働制は本当に「定額働かせ放題」なのか

まー、何ていうかですね。
僕、エンジニアなんで、基本このブログは技術系の話メインで書きたいんです。
ですし、この話はちょいポリティカルな話でもあるんで、余計に書きづらいのもあるんですが。

ただまぁ状況的に、書かざるを得まい。裁量労働に関して、ここ数日の世間の状況はあまりに無残だと思ったので。

とりあえず、以下にちょいちょい、ここ数日の顛末と、あと僕の言いたいことを、ツイートの紹介を交えてまとめていきます。

はじめに

27日朝に、以下のツイートをしたら、ものすごい勢いでバズりました。

約2日で2万RT。いやぁ、そんなすごいこと書いたつもりなかったんですけども。
裁量労働制」にみんな関心が高かったのと、あと、「過労死1人で罰金50万」を知らない人が想像以上に多かったんでしょう*1
あ、この数字の根拠はもちろん、コレです。

www.huffingtonpost.jp

で結局、裁量労働制の話は、安倍首相による「撤回」で幕引き、と、とりあえず相成ったようで。

www.asahi.com

ただねぇ(ここからが本題)、正直これ、意味あったんですかね?

てかさんざん与党を攻撃してた野党の皆さん、あと(何故か学生団体が主催で)デモまでやって、反「定額働かせ放題」キャンペーンを繰り広げた市民の皆さん。
それに乗っかるマスコミの方々。

本当に、「裁量労働制」って理解してます?
今回の国会で審議されてた内容、本当に理解してました?

ニュースでは世論調査で過半数が反対とか出てましたけど。
ただ、僕は首相による撤回指示のニュースが出た後の3/1朝、裁量労働制に関するアンケートをTwitterで作成しました。
結果は下記の通り。

この472票が統計的にどれだけ意味があるかは知りませんけど、まぁ少なくない数のうちの7割弱は今国会で審議してた内容を正確に把握してなかったです。
これで、世論の過半数が反対、と言われてもね。どれだけの意味があるんでしょう。
こんな状態で国会の審議をしていたの、与野党・マスコミともども問題あるんじゃないですかね。
僕の印象を言わせてもらえば、国民がきちんと理解しないまま、いやむしろ変な誤解を与えたまま、野党による裁量労働制へのネガティブキャンペーンで終わった気がします。
はっきりいいまして、迷惑です。今後、裁量労働制は国会で一切審議できないのでは、という気にすらなります。

自分の立場を明らかにしておく

僕は前職、コンピュータ関係の研究職でした。なので、のべ15年以上、裁量労働制で働いていました。(研究開発職は専門型裁量労働制の対象)
周囲の知人・友人も、裁量労働で働いている研究者やITエンジニアが結構多いです。(SEも専門型裁量労働制の対象)

彼らは(聞いてる限り)裁量労働制に対して非常に好意的。というか、もう裁量労働以外では働きたくないという人がほとんどです。
僕も、今は定時勤務の月給制*2ですが、人事は将来的に裁量労働制を敷きたいと言っているし、僕もぜひ裁量労働制で働きたい。

そんな状況なので、今回の国会での顛末を見ていて皆が口を揃えて言ったのが「こんな流れで裁量労働制がなくなったら困る」でした。

裁量労働のメリット

経営者側からみたメリットなんぞ知りません。あくまで僕の視点で、働く側、労働者側からのメリットを書いておきます。
それは、場所と時間に拘束されないということに尽きるのでは、と思います。
基本、何時に職場に来て、何時に帰る、ということを考える必要がなくなるので。
まぁ会議とかあれば別ですが、それもSkypeかなんかでテレコンやれば済むかもですし。

そして、仕事に対する姿勢や考え方ががらっと変わります。
時間給だと、当然、勤務時間以外で仕事なんて、したくないですよね。お金出ないんだもの。
でも裁量労働制の場合、たとえば家で仕事するのが平気になります。
それってサビ残じゃないの? と思われるかも、ですが。まぁ見方によってはそうですが、一方で疲れたと思ったら平日昼間に休養取ってもいいので、差し引きゼロです。
むしろ自分の働きたいときに働きたいところで働けるので、単なる定時勤務+サビ残よりは遥かに楽で身体にもメンタルにも優しいです。

もちろん、家でなんか働きたくない、という人もいるでしょうし、そしたら職場で働けばいいだけです。
同じ仕事を長い時間かけてやっても意味ないので、さっさと済ませて帰ればいいのです。

こうして、自己の労働の単位が、働く時間の長さという「量」から、何をやるかという「質」に変貌します。どう働くかはその人次第。
この辺は、以下の記事でも書いています。

diamond.jp

フレックスだと代替できないのか

僕は一時期フルフレックス(コアなしフレックス)でも働いてましたけど、やっぱり、裁量労働制とは違います。

たとえば、家庭を持つお母さんが、子供の送り迎えで週3日を2時間短く働いたとしましょう。
この場合、残り週2日は3時間余計に働かないといけません。デフォルト8時間勤務なら、1日11時間。これって、結構キツイと思いません?
でも裁量労働なら、こんなこと気にする必要ありません。きちんと成果さえ出せば、毎日でも子供の送り迎えができます。

結局フレックスだと、労働時間という「量」から逃れられないので、感覚が全然違うんです。
まぁ、フルフレックス+テレワーク+無限の時間単位有休、なら代替できるかもしれません。

裁量労働は「定額働かせ放題」にならないのか

一方で、まぁ僕の周辺にはいませんが、Twitterなど覗いていると、やっぱり裁量労働制で働いて、相当不満を持った人もいるようです。
安倍首相の国会答弁によると、「現在裁量労働で働いている人のおよそ2/3は満足している」とのことで、残り1/3は不満ということに。

僕が先程書いたメリットは、明らかに「仕事に対する個人の裁量」と「受け持つタスクの量」に強く依存します。
で、ブラックな企業が「個人に裁量を与えず」「過剰なタスクを個人に与える」ようなことをすれば、ひたすら悲惨なことに当然なってしまいます。
こうなると、確かに「定額働かせ放題」です。

まとめると

こうなります。

ただし、「有効な手立てがない」とは書きましたが、まったくない訳ではありません。
それは、特に今回の国会で審議された企画型裁量労働制に関しては、適用に際して労働者本人の同意が必要*3、ということです。
そして同意を拒否した労働者に対して、使用者が不利益を講じてはならないことも労基法に定められてます(つまりは強制不可)*4
だから、嫌なら拒否すればいいだけのことなのです。基本は。
そもそも、会社側が勤務時間の指示をしてはいけないことも労基法にあります*5し、要は「本人の意志に反して裁量労働を強制する」とか「個人に裁量を与えない」とかは全部労基法違反なんです。

ちなみに専門型裁量労働制に関しても、労組なり労働者代表なりが拒否すればいいだけなんで。
だから、こう↓

なので、今の国会で審議されてた話にしても、裁量労働制が悪いんではなく、労基法を踏み倒して平気な雇用者がいることが問題なんです。
だから、最初に貼り付けた、このツイートにつながるんです。

結局、労基法を厳罰化するなりして、日本にはびこる、労働者から搾取して平気な雇用者どもの意識を変革する必要があるんです。
裁量労働制かどうかは本質じゃないんです。

なので、どうか野党の皆さん。裁量労働制を悪者にしないでください。腐った日本のブラック経営者を悪者にしてください。

とはいえ

確かに、麻薬撲滅前の今の日本にヒロポン持ち込むのは、時期尚早かも、とは、思ってしまいます。
ただ、短期的なデメリットばかりを見てメリットある制度を捨ててしまうのは、本当に、もったいないんです。

*1:余談ですが、バズりはしましたが炎上ではなかったようで、ほぼ共感か、反論にしても理性的で、ある種納得できる内容のリプライやらコメントだったんで、個人的には助かりました。もっとも、片手で数えるほどではありますが、「与党への攻撃に対する煙幕」だの「虚論だ、今は労働法制を見直している時ではない」だの、訳の分からないイチャモンつけてきた人も、いたのはいたんですけどね。

*2:ただし、みなし残業代つき。ええと月45時間分だったかな……でも、うちの会社では、今まで誰もみなし残業代以上働いたことがないです。僕も今まで、月20時間以上残業したことない。

*3:労働基準法 第三十八条の四の六

*4:労働基準法 第三十八条の四の六

*5:労働基準法 第三十八条の三の三

ニューラルネットワーク使ったAIなんかめっちゃ簡単だから。俺天才wwみたいなフリすんのやめろ

スイマセン。クソ煽りタイトルですが、下記の記事のタイトル意訳しただけです。草生やして更にクソさを増してはいます。

個人的にはぜひ本文読んでこの記事のクソ煽りっぷりを満喫してほしいのですが、英語読むのもメンドクセという方に、何が書いてあるかをさらっとだけ説明すると。

要はニューラルネットワークって、↓のPythonで11行のコード分の処理やってるだけじゃね? こんなの使いまわした程度で「うはwww俺天才www」みたいな顔すんのやめろ、ってことのようです。

https://media.licdn.com/mpr/mpr/AAMABADGAAgAAQAAAAAAAA5JAAAAJDgzOWE4YWVhLTZhNDYtNGQxMy1hOWY5LWZmNGNkMWFiMjU0ZQ.png

まぁハッキリ言って、クソ記事www煽り乙wwwなんですけど。

でもぶっちゃけ、真実なんですよ。ある面においては。

僕も今の会社に入るまでディープラーニングに関する知識ほぼゼロだったけど、今は少なくとも、自分の業務に支障でない程度には理解できてるつもり。

ただ、ディープラーニングをメインでやってる人達がコンパイラやその下のハードウェア、いわゆる計算機科学の基礎みたいなところを学習するのは結構大変そうで、なんか学習曲線の非対称性みたいなものを感じています。

ディープラーニングが簡単、というより、今あるニューラルネットワークの仕組みや、TensorFlowやPyTorchみたいなツール・フレームワークといった辺りが相当整理されてて、技術がコモディティ化しているんだろうなぁと。

一方で、いわゆる「データサイエンス」とかその裏にある統計学的知識、データ分析のノウハウみたいなものは多分ちょっと文献に目を通したり多少コード書いたりした程度では身につかなくて、僕がもし、そこらへんメインでの仕事についてたら恐らくメチャクチャ苦労してたし、こんなナメた事は言ってないです。

実際、前職では機械学習データマイニングを研究しているラボになぜか所属していて、そっち系で一線張ってる人達と専門外の自分との彼我の差は当時すごく感じていたし、Bishop本(これ。和訳はこれこれ)独学は挫折したし、Hastie本(これ、タダ。和訳はこれ)の社内勉強会もついてくの大変でした。

ただ、僕の今のメインの仕事は、あくまで「ディープニューラルネットワークをハードウェア上に実装するコンパイラ屋」なので、正直そういう苦労は味わわなくて良いんですよ。ハッキリ言って。 大まかな仕組みは、線形代数と高校生レベルの微分の知識があったらとりあえずわかります。

山ほど入門本出てますが、とりあえず、昨年ベストセラーになった以下の本読めば、ホントに基礎の基礎みたいなところはひとまず押さえられます。いやホントに。

まぁ結局何が言いたいかっていうと、ディープラーニングなんて、大雑把に理解するだけなら簡単だから、コンパイラ屋さん、もっとウチの会社に来て! ってことです。

ご興味ある方は連絡(Twitterとかに)くだせい。

【2/18 追記】ブコメに、僕の仕事内容を「意味不明」と書かれた方がいらっしゃったので。

僕は今、こういうのを作っています。ディープニューラルネットワークを最適化し、主にFPGA向けのHDLに変換して出力するコンパイラの開発です。

www.slideshare.net

この辺の「バックエンド」と呼ばれる辺りも最近色んな所で開発が進んでいて、競争が激化しています。求められるのはコンパイラとプロセッサ設計の知識です。

ということで、よろしこ。

【/追記】

エンジニアと組織論

たまたまAmazon眺めてて、タイトルで「お」と惹かれた本があったので、紹介しとく。

2/22発売ってことで、現在予約受付中。

内容紹介を見ると、

「不確実性」を下げるための方法がわかります!

「コミュニケーションにおける不確実性を減らすには?」

「技術的負債を解消する方法とは?」

「経営陣とエンジニア間の認識のずれを解消するには?」

エンジニアリングにおける課題を解決する思考の整理方法やメンタリング手法を、

さまざまな企業の技術組織アドバイザリーを務めている著者が解説。

若手を戦力として育て上げ、成長する組織を設計・運営するためにおすすめの1冊です。

特に「技術的負債を解消する方法とは?」と「経営陣とエンジニア間の認識のずれを解消するには?」はすごく興味ある。てか前者、技術的負債を組織論で解消できるのだろうか。

僕は収納スペースの問題から、最近はなるべく電子書籍を買うようにしてる(紙の本は遠慮する)ようにしてるんだけど、これは迷うな……

ということで、とりあえずウィッシュリストに突っ込んでおきました。僕は今月末が誕生日なので、誰かプレゼントに買ってやってください。 → bonotakeのほしい物リスト

僕自身と組織論

僕は、前職で大企業にいたときは、所属組織がデカすぎたこともあって、組織運営なんてエライ人が勝手にやればええやん、的な感覚がすごくあって。 だから自分は関わりたくもなかったし、興味もなかったのだけど。

数十人規模のベンチャーに移ってみると、会社の経営・組織運営が1社員の自分にとっても凄く身近なものになったし、現時点で事実上サブマネージャー的なポジションに収まっていることもあって、がぜん組織論には興味が出た、気がする。

とはいえ、オッサン好みのビジネス誌を読み込んで戦国武将に自分を例えたりとか、そんなアホなことはしたくないのですけども。

ただやっぱ、Tech企業における、エンジニアが幸せになって自分のチームが幸せになって会社もハッピーになるような組織論はぜひ知っておきたいな、とは思う。

今までに気になった組織論

及川卓也氏の組織論

その点で過去、すごく感銘を受けたのは、この記事かなぁ。

hrnabi.com

エンジニアとマネジメント、Tech企業の組織を考える上ですごく良記事だと思う。 若手エンジニアも、そろそろオッサンに差し掛かったエンジニアも、あるいはエンジニアをたくさん抱えるチームのマネージャーも絶対に読むべきだし、本当に、Tech企業ってこうあるべきだよね、というのをすごく実感できる。こういう会社にいられたら幸せだろうな、とも。

非エンジニアマネージャがエンジニアチームと上手くやる方法

あと最近だと、けっこう物議を醸した感のある、この記事。

qiita.com

あまりにエンジニア至上主義な内容に反感を買うのもわかるし、僕も100%全面賛成できる内容ではないんだけど、ただまぁ、非エンジニアなマネージャーが苦悩の末に辿り着いた、一つの境地かな、とは思う。というか、エンジニアという人種の生態をよくここまで理解したな、という、まずそこに感心した。

エンジニアにおもねりすぎだという批判もあって、一面では真なんだけど。

ただちゃんと読めばわかるんだけど、 この人は優秀なエンジニアにこそおもねっているのであって、一般の凡庸なエンジニアは対象ではない、というあたりを読み間違えてはいけない。 むしろ「PMが(略)エッジの無い製品リードを始めたら即刻クビにします」など、エンジニアが優秀であるか否かについては非常にシビアな立ち位置にいる。

なんか、エンジニアだったらワガママになっていいんだ、と思っているかのようなエンジニアからの反応や、エンジニア相手なら何でもワガママ聞かなきゃいけないのか、といった非エンジニア、マネージャーからの反感をチラホラ見かけたんだけど、それは残念ながら真ではない。

そんなこんなで

なんか脱線しかけた感もあるけど、とりあえずタイトルだけで気になった本と、ついでに過去読んだ「エンジニアと組織論」に関する記事の紹介、でした。

冒頭の本は、もし手に入れたら、書評なども改めて書きたいと思う。

【緩募】機械学習・ディープラーニングとPythonの勉強会で聞きたいこと・言っておきたいこと

今月末にあるこのイベントで、司会することになりました。 mlxse.connpass.com 機械学習ディープラーニングと、プログラミング言語という両面から、”Python"という言語を見つめ直す会です。

参加者も、きっと両方の属性の人が集うんじゃないかと思ってます。

で、この勉強会、単に発表聞いて終わり、ではなく、最後はパネルディスカッション的に、会場の参加者も巻き込んで全員で議論する趣旨で企画しています。

ということで、この勉強会に参加・不参加問わず「こういうことを議論してほしい」「こういう話を聞いといて欲しい」みたいなネタをここで公募します。

ちなみにこの勉強会、元々、Preferred Networksの丸山宏さんが、プログラミング言語に関する国内ワークショップ PPL2018 で招待講演する、という話から

「じゃあ、その前に丸山さんに色々吹き込んでおこう」

と企画したものです。

で、その丸山さんも参加される予定なので、この勉強会で出た内容は、丸山さんを通じてPPLにフィードバックされる、かもしれません。(されないかもしれませんが)

PPLは国内のワークショップですが、日本のプログラミング言語研究者はガチ、というか、世界レベルの人が勢揃いしてます。 なので、僕らのこの勉強会も、国際的なインパクトは少なくない、のでは、などと考えていますw

ということで、もし何かありましたら、この記事にコメントか、 twitter @bonotake にメンション・DM飛ばして下さい。

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